イスラエルのスタートアップのインキュベーションプログラム

起業環境の良さなどを格付けしたスタートアップ都市ランキングでイスラエルのテル・アビブは世界ランク第2位と、アメリカのシリコンバレーの次に位置している。ここではスタートアップの支援制度のなかでも、起業立国イスラエルの基礎となっているプログラムの1つである「Technological Incubator」についての情報をまとめます。

  

■Technological Incubator

1991年に設立された企業立国イスラエルの屋台骨を支える助成金プルグラムの1つ。スタートアップを民間のベンチャーキャピタルからの出資を受けられる水準までの成長を支援することが目的で、イスラエル全土に22のインキュベーターが存在する。

 

各インキュベーターに所属するスタートアップはおよそ180社程度で、オフィスの提供、事務サービス、事業展開の支援、法務支援などを提供する。

 

施設に所属できる期間はおよそ2年間で、助成金の予算は1社あたり50万~80万ドル程度。事業が成功し、収益が発生した場合に、収益の3~5%をロイヤリティとして支払うことになっている。この助成金は多くの場合、出資形態で提供され、事業に失敗した場合の起業家の経済的なリスクを劇的に低減させている。出資によるインキュベーターの資本所有率の上限は50%に制限されている。

 

現在180社近くのスタートアップがインキュベーションプログラムに採用され活動しているが、技術分野の内訳は以下となる。

・40%は医療機器

・30%はICT

・15%はクリーンテクノロジー

・10%はバイオテクノロジーと医薬品

・5%がその他

 

1991年の設立から2012までに6.9億ドルが1700社のスタートアップに出資され、1500社が一定水準の事業規模に成長、およそ900社が民間の投資家(ベンチャーキャピタルやエンジェル)から出資を受けることに成功していて、民間投資家からの合計出資額は35億ドルにのぼる。つまり国からの助成金または出資の1ドルが民間から5~6ドルの資金調達につながっていることになる。

 

つまりイスラエル国家の積極的なスタートアップ支援制度 「Technological Incubator」は

・初期の廃業リスクを大幅に低減し

・そして一定水準の事業規模にまでスタートアップを育て、

・民間からの資金調達を実現する

優れた資金調達エコシステムを作り上げている土台となっている。

 

このプログラムがイスラエルにおける主要なスタートアップ育成機関となっていて、毎年80社程度のスタートアップが本プログラムの支援を新たに受けている。

 

■参照元

イスラエル経済省ホームページ

イスラエル経済省Office of Chief Scientist所長のノアム バル・ガル氏の講演

 

 

 

イスラエルのスタートアップの支援の仕組み(期間1991年から2012年での実績)
イスラエルのスタートアップの支援の仕組み(期間1991年から2012年での実績)